2019/11/27
大阪環状結界都市 あれこれ

先日吹田の国立民族学博物館の「驚異と怪異」展で、慶応二年、大坂城堀に起きた怪物の死体事件を知りました。大阪の伝奇では基本なのかもしれない…。と恥じつつ、楽しい?光景が浮かびました。これは「大坂城異獣の図」をもとにしており、展示の図録(書店でも買えます)に収録されています。実は展示には入れ替えがあり、見たのは「大坂城堀の奇獣」という別の絵です。そちらは同じものを描いているはずなのですが巨大爬虫類のようで、さらにもう1枚はほぼタヌキで、ウワサの具現化例として面白いなあと思いました。爬虫類の方でもよかったのですが、図録に収録されておらず、うろ覚えになるためあきらめました。好奇心と想像力をもって知識を積み重ねればまた物語が開き始めるかもしれないなあと感じる経験でした。
慶応二年六月九日朝
大坂城堀にて発見された
奇獣の死骸に関する真相
慶応2年6月8日の夜、大阪城堀にみぎわもんが出る。あそこによく出る「おおぐち」で
あることは間違いがなさそうであったが、目撃者の口封じが一足遅れたため騒ぎになる。
何とかすべてが実体化する前にとらえ「さかみ」の若衆をかりだして蔵にて退治を
こころみるもうまくいかず。たまたま来阪していた「常陸のさかみ」と力を合わせ
何とか事なきを得た。みぎわもんに関する噂が広がるのを防ぐため出現場所には
手持ちの中で最も大きい山椒魚とタヌキを縫い合わせた死骸を置いたところ
うまくいったようであった。うまくいきすぎて、のちに出回った瓦版に載った絵が
つたないものの、案外本物の「おおぐち」と似ていたのが冷や汗ものであった。
「坂見商事所蔵 「汀者記」五十三巻より現代語訳」

幸島
リラックスして描いた方がかっこよくなるのかもしれない

主人公かなた お疲れさまでした…
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